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LD(学習障害)の子どもに見られる特徴は? 特性を理解して適切な関わりを!
2017/12/29
LDは「Learning Disability」の略称で、日本では「学習障害」と訳されます。発達障害の一つで、近年注目を集めるようなりました。LD(学習障害)の子どもにはさまざまな特徴があり、教育現場を中心にその理解や適切な対応が求められるようになってきています。「どうやって判断したらよいのか分からない」「診断されたらどうすればよいのか?」と悩んでいる親御さんも多いことでしょう。
そこでこの記事では、LD(学習障害)の子どもに見られる特徴や関わり方についてまとめました。
- LD(学習障害)の基礎知識
- LD(学習障害)の子どもの特徴
- LD(学習障害)の子どもとの関わり方
- まとめ
1.LD(学習障害)の基礎知識
LD(学習障害)は「聞く」「読む」「話す」「書く」「計算する」などのうち特定の分野または複数の分野に困難を感じます。たとえば、書くことができなくても読むことはできるなどです。基本的な知的発達については定型発達の子どもと変わらないため、判断が非常に難しくなっています。幼児期には気づきにくく、小学校入学以降に発覚するケースがほとんどです。
2.LD(学習障害)の子どもの特徴
LD(学習障害)の特徴や現れ方について詳しく見ていきましょう。
2-1.全体的な特徴と現れ方
LD(学習障害)は大きく以下の3つに分類されます。
- 読字障害
- 書字障害
- 算数障害
こうした能力のうち、すべてが困難というわけではありません。多くの場合、困難を感じるのは特定の分野においてのみです。また、日常生活においては特に不都合を感じないことがほとんどです。
2-2.読字障害の主な特徴
読字障害には具体的に以下のような特徴があります。
- 「わ」と「ね」、「シ」と「ツ」などの区別が難しい
- 「っ」「ゃ」「ょ」などの認識が難しい
- 文章をスムーズに読めないことがある
2-3.書字障害の主な特徴
鏡文字になったり誤字脱字が多かったりすることが特徴です。その他にも、「黒板の文字を書き写すことができない」「文字の大きさや形の統一が難しい」などの特性もあります。
2-4.算数障害の主な特徴
算数障害では、数の大小を理解することが難しい、繰り上げ・繰り下げのある計算が難しい、などがあります。特に多いのが、文章問題や図形・グラフの問題が苦手というケースです。
2-5.年齢別の特徴
LD(学習障害)の特徴を年齢別にまとめました。
2-5-1.幼児期
幼児期においては、読字や計算が苦手ということは珍しくありません。そのため、LD(学習障害)であることに気づくことは難しいでしょう。しかし、年齢が上がるにつれて、
- 言葉を覚えることが難しい
- 手先の不器用さが目立つ
- 視線を合わせられない
- 癇癪(かんしゃく)を起こす
などの特性に気がつく場合があります。
2-5-2.小学生
小学校に入ると、「ひらがなが読めない」「ノートなどをマスからはみ出して書いてしまう」など、特性が目立つようになります。授業についていけず、学校へ行くこと自体を嫌がるようになるケースもあるでしょう。
2-5-3.中学生
中学生になると学習能力の偏りがよりはっきりしてきます。日常生活での理解力は優れているにもかかわらず「英単語が読めない」「文章問題がまったく解けない」など、より特性が顕著に現れます。
3.LD(学習障害)の子どもとの関わり方
LD(学習障害)の子どもとの関わり方や注意点などをまとめました。
3-1.特性を理解する重要性について
LD(学習障害)の子どもと関わる上で最も重要なことは、その特性を正しく理解することです。LD(学習障害)はとても誤解されやすく、「勉強不足」「努力が足りない」などと周囲から思われてしまうことも多いでしょう。しかし、LD(学習障害)は脳の機能障害が原因で起こるという説が有力で、本人の努力ではどうにもならない部分もあるのです。周囲が特性を理解し、適切な関わりを持つことで、困難を乗り越えていけるでしょう。
3-2.苦手なもの別の関わり方
苦手なこと別にLD(学習障害)の子どもとの関わり方をまとめました。
- 読むことが苦手:指でなぞりながら読むように教え、必要でない部分を隠すなどして読みやすくしてあげる
- 書くことが苦手:マスを作ってなぞり書きすることから教えていく
- 語彙が少ない:ゲームや歌遊び・絵本などを使って繰り返し単語に親しませる
3-3.家庭での関わり方
LD(学習障害)の場合は勉強不足や努力不足が原因で勉強ができないわけではありません。その子の特性をしっかりと理解し、適切な方法で丁寧にアプローチしていくことが大切です。家庭での対応に困難を感じる場合は、特性に適した支援やサービスを受けることもできます。一人で悩まずに、周囲のサポートを利用することも検討しながらケアしていってください。
3-4.学校での関わり方
LD(学習障害)の子どもと関わる上で、学校の対応はとても重要になります。場合によっては苦手な教科だけ個別指導を受けるなどの対応も必要になるでしょう。また、不登校などの二次障害を引き起こさないためのサポートについても検討することが大切です。
3-5.学習指導について
できるだけ早期に療育を受けることで、学校や社会への適応を進めることができます。覚え方や学び方を工夫して教えるなど、特性に配慮した指導をすることで、その後の社会適応力も高くなるでしょう。その子の特性や苦手分野に合わせた指導が大切です。
3-6.注意点
特定の分野が困難だからといって、必ずしもLD(学習障害)というわけではありません。自己判断をして悩むのはやめ、適切な専門機関に相談してみましょう。子どもが発達障害ではないかと悩むことは、親御さんにとってもストレスとなります。少しでもストレスを軽くするためにも、きちんとした見極めが必要でしょう。
4.まとめ
いかがでしたか? LD(学習障害)の子どもに見られる特徴や周囲の関わり方について詳しくまとめました。誰にも気づかれず、困難を抱えている子どもも少なくありません。子どもが日々の生活を少しでも送りやすくしてあげるためにも、ぜひこの記事を参考にしてLD(学習障害)について考えてみましょう。