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発達障害で受けられる障害福祉サービスは? 概要や申請方法について

2018/12/14

障害福祉サービスとは、国や各市町村から障害に応じた自立支援や療育を受けられるシステムのことです。障害福祉サービスを利用すれば、子どもに発達に見合った適切な支援を受けることができるでしょう。しかし、「障害福祉サービスの内容や受け方がよく分からない」という方もいると思います。

そこで今回は、発達障害児が受けることができる障害福祉サービスについて見ていきましょう。

  1. 児童の障害福祉サービスの概要
  2. 発達障害の児童が受けることのできるサービス
  3. 障害福祉サービス利用までの手順
  4. 障害福祉サービスを利用する際の費用

この記事を読めば、サービスを受けたいときの相談先も分かります。障害福祉サービスを利用したいと考えている人は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.児童の障害福祉サービスの概要

一般的な障害福祉サービスは、障害のある人々個人の障害程度や考慮されるべき事項に踏まえ、個別に支給決定が行われる「障害福祉サービス」と、市町村が創意工夫を行うことで、障害を持つ人々の求めに応じて柔軟に利用できる「地域生活支援事業」があります。なお、発達障害を含む障害児のサービスは、児童福祉法に基づいて受けることが可能です。

発達障害の子どもを持つ親がサービスを利用したい場合、まず市町村に障害支援区分の認定について申請を行い、サービス等利用計画を経て、支給決定を受ける必要があります。

2.発達障害の児童が受けることのできるサービス

この項では、発達障害の児童が受けることもできる主なサービスを紹介します。

2-1.ショートステイ

発達障害の児童が施設に短期入所することができるサービスです。親が仕事などで面倒を見ることができないときなどに利用できます。

2-2.障害児通所支援

障害児通所支援とは、発達障害の児童が通いながら発達に見合った教育や訓練を受けることができる支援のことです。以下のようなものがあります。

2-2-1.児童発達支援

児童発達支援センターと児童発達支援事業があり、発達障害を持つ子どもが社会的に自立するための訓練などを受けることができます。また、家族を支援するサービスもあるので、ぜひ利用してみましょう。

2-2-2.放課後等デイサービス

放課後デイサービスは、放課後や夏休みなどの長期休暇を利用して児童に生活能力向上のための訓練等を継続的に行うサービスです。学校とも連携して発達障害の児童の自立を促すとともに、放課後の居場所を提供しています。

2-2-3.保育所等訪問支援

保育所を利用する発達障害の児童や今後利用する予定がある児童の元を訪問することにより、保育所等での集団生活適応のための専門的な支援を受けることができるサービスです。

2-3.障害児入所支援

障害児入所支援とは、施設に入所して発達障害を含む障害を持つ児童に、その障害に応じた適切な支援を提供するサービスです。また、医療が必要な児童は医療のケアを受けることもできます。

2-4.相談支援

相談支援とは、発達障害を持つ児童が障害福祉サービスを利用したい場合、「どのようなサービスをどの程度利用するのか」を主に相談できるサービスです。発達障害の児童は、障害児相談支援を受けることが多いでしょう。相談支援を利用すれば、障害福祉サービスの利用計画を立てたり施設と利用者の連絡や調整などをしたりしてもらうことができます。

3.障害福祉サービス利用までの手順

この項では、障害福祉サービス利用までの手順を紹介しましょう。

3-1.市町村の窓口へ申請する

障害福祉サービスを利用したい場合、まず市町村の窓口で申請を行い、障害支援区分の認定を受けます。

3-2.サービス等利用計画書の作成

サービスを利用するには「サービス等利用計画案」を作成して提出することが必要です。これは、障害児相談支援を受けることで、指定特定相談支援事業者に作成を依頼できます。

3-3.支給の決定

提出した計画案や勘案すべき事項を踏まえ、市町村によって支給決定がされます。その後、指定特定相談支援事業者がサービス事業者等との連絡調整をし、実際に利用する「サービス等利用計画」を作成します。

3-4.利用開始

サービス等利用計画が作成されたら、それに沿ってサービスが開始されます。利用者希望者が行うのは窓口への申請が主です。その後のことは相談支援が受けられるので、安心して申請してください。申請窓口については、事前に自治体のサイトなどで確認しておきましょう。

4.障害福祉サービスを利用する際の費用

障害福祉サービスの利用費用は受けるサービスによって異なりますが、原則として利用者は1割負担です。また、以下のように1か月にかかる費用の上限が決められています。

  • 生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯:無料
  • 市町村民税課税世帯のうち、所得割16万円以上:37,200円

なお、医療や介護を必要とする場合は減免があるケースもありますので、詳しいことは各市町村の相談支援を利用して確認してください。

まとめ

いかがでしたか?今回は、発達障害の児童が利用できる障害福祉サービスについて解説しました。利用計画書の提出が求められるなど、ハードルが高そうに思えますが、作成を手助けしてくれるシステムもそろっています。ただし、保護者が自分で動かないとサービスを受けることはできません。利用したいサービスがあったら、まずは窓口に申請をしに行きましょう。そうすれば、次にどのようなことをすればいいのか分かります。